多様なIoTエコシステムをつなぐ「Web of Things」の増強

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https://www.w3.org/ – 2023年12月05日 – ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)は、Web of Things (WoT) Architecture 1.1, Web of Things (WoT) Thing Description 1.1, そして Web of Things (WoT) Discovery が正式にW3C勧告に到達したことを発表しました。これらの新しいW3C勧告は 2020年の最初のリリースとの互換性を壊すことなくWeb of Thingsの範囲を改善・拡大し、重要な新機能を追加しています。さらに、 Web of Things (WoT) Binding TemplatesWeb of Things (WoT) Scripting APIの2つのサポートW3Cノートも更新されました。

WOTIoTの断片化問題に対処

現在、モノのインターネット(IoT)システムは相互運用性の欠如と断片化に直面しています。顧客は、再設計することなく複数のベンダーからデバイスを選択できることを望んでいます。WoTIoTをウェブ技術で拡張し、この問題に対処するものです。特にWoT勧告は、標準化された記述情報であるWoT Thing Descriptionのフォーマットを提供し、IoTデバイスとサービスの容易な統合を可能にしています。これはすでにリリースされ、異なるIoT通信プロトコルやデータ標準を使用するIoTシステムも含まれています。つまりWoTはウェブ技術を使って多様なIoTデバイスへのアクセスを調和させ、サイロの壁を打ち破っているのです。これによりWoTアプリケーションは、単一のポータブルなインタラクション抽象化の上に記述することができます。

大幅な改良と機能性

これらの新しい勧告は前回のリリースの操作性を改善し、新しいユースケースに対応するために改訂されました。また、ThingモデルとDiscoveryを含む重要な新機能も定義されました。

Thingモデルはセンサーデバイスや特定のベンダーの製品ラインのようなモノのクラスを記述する方法を提供し、再利用可能なコンポーネントからパラメータ化されたモデルを構築できるようにすることでモジュール性をサポートします。そしてこれは、適切なパラメータを提供することで、Thing Descriptionを生成するために使用することも可能です。

Discoveryはプライバシーを守るために適切にアクセスを制御しながら、シング記述への容易なアクセスを提供します。これは他の既存の発見メカニズムを代替するものではなく、Thing Descriptionsの配布にそれらをベースにして適用するものです。WoT Discoveryはローカル・エリア・ネットワーク(LAN)内でもインターネット全体でも適用します。また、自己記述型IoTデバイスと外部記述型デバイスの両方に使用できます。検索可能なThing Description Directoryサービスは、セマンティック検索をサポートする様に定義されています。

WoTは広く採用され、支持されている

現在、Thing Descriptionの検証や構築のためのツール、Thingランタイムのサポート、Thing Descriptionの発見をサポートするディレクトリを含む多くのソフトウェアパッケージやオープンソースプロジェクトWoTをサポートしています。シーメンスの「SayWoT!」や「Desigo CC」、竹中工務店の「ビルディング・コミュニケーション・システム」など、注目すべき製品によって、WoTの市場導入は勢いを増しています。鋳造樹脂製変圧器のデジタルツインを作成するVAIMEEMONASAgorà、農業分野では作物や地形、スマートビルディングのリアルタイムデータ分析を提供するKrellian Cloudなど、新興企業の興味深い製品も登場しています。さらにWeb of Thingsは、ECHONETConexxusOPC Foundation(OPC UA Web-of-Things Connectivity)、IPA Digital Architecture Design CenterIndustrial Digital Twin Association(Asset Interfaces Description)など、複数の標準化団体によって採用されていたり、その採用が検討されています。

成長するWoTユーザーコミュニティは複数のWoTコミュニティグループによってサポートされており、WoTとそのアプリケーションに関する情報を共有するために英語と日本語の両方で定期的な会合が開かれています。

World Wide Web Consortiumについて

ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム(W3C)の使命は、ウェブが世界中の誰にとってもオープンで、アクセスしやすく、相互運用可能であり続けるよう、技術標準とガイドラインを作成し、ウェブの可能性を最大限に引き出すことです。W3Cの標準であるHTMLCSSはウェブサイトを構築するための基盤技術です。W3Cは、アクセシビリティ、国際化、セキュリティ、プライバシーなどの分野において、すべての基本的なウェブ技術が市民社会のニーズを満たすように取り組んでいます。W3Cはまた、エンターテインメント、コミュニケーション、デジタル出版、金融サービスなどの分野で、ウェブを活用する現代ビジネスのインフラを支える標準も提供しています。これらの標準は、画期的なW3C特許ポリシーのもと、無償で提供され、オープンに作成されています。

W3Cのビジョンである「One Web」には、400を超える会員組織と数十の業界セクターを代表する数千人の献身的な技術者が結集しています。W3Cは、米国で設立された公益非営利団体であり、理事会が主導し、世界中にグローバルなスタッフを擁しています。詳細はhttps://www.w3.org/をご覧ください。

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